伊東勤氏、王さんから「アキのチームに」 (2/2ページ)

2011.11.21 05:04
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特集 : ソフトバンク
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伊東勤氏、王さんから「アキのチームに」

秋山監督と西武の黄金期を支えた伊東氏【フォト】

 日本一監督だから「秋山監督」って呼ばなければいけないのかな。でもやっぱり、30年以上も呼び慣れているから「アキ」と呼ばせてもらう。アキ、よくやったな!

 僕が西武の監督として日本一になったのが7年前の2004年。現役時代、同じ西武で黄金時代を築いたアキが、今度は頂点に…。自分のことのようにうれしい。

 高校3年夏の熊本県大会決勝で戦って以来の縁だよな。アキから僕が逆転ホームランを打って甲子園に出場した。田舎から都会に出てきた僕にとって、同い年の同郷の人間がチーム内にいたことがどれだけ支えになったことか。休みの日も一緒に食事したり、買い物したりしたよな。

 入団間もない頃、打撃コーチだった長池徳士さんに連日2人だけ残され、日本刀でワラを斬る練習をさせられた。これが、すごく難しい。「どうすればうまく切れるか」と2人相談したことが、きのうのことのような気がする。

 正直に言うと、僕が捕手として必死でチームのことを考えていたのに、アキは全くのマイペースだった。走攻守3拍子そろった素晴らしい選手だったけれど、チーム全体を考えていたとは、とても思えない(笑)。だから、現役時代、アキとあれだけ話をしたのに、野球の話をした記憶がないのかな。

 アキがチームのことを考える転機になったのは、引退後、2005年から2年間、ソフトバンクの2軍監督を経験したことじゃないかな。チームに何が必要かを考えたはず。もともと素晴らしい野球センスの持ち主だから、いろんな経験をして監督としての資質を磨いていったんだと思う。

 今季も、勝っている展開で信じられないほど早く小久保らのベテランを引っ込めてしまう。大失敗につながりかねないさい配だけど、それが若手に実戦経験を積ませることにつながった。そんなアキにしかできない「チーム内に危機感を与える」指揮には、いつも驚かされてきた。

 そして、いつの間にかソフトバンクのチーム内に前監督の“王さんの影”も感じさせなくなった。気が付けばアキのチームになっている。誰もが認める、文句なしの日本一。本当におめでとう。

(紙面から

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